世界自然遺産屋久島
屋久島は、九州本島最南端の佐多岬から南に約70q(鹿児島市から130q)に位置し東経130度40分〜130度22分、北緯30度13分〜30度20分内にあり、東西約28q,南北約24q,周囲約132q,総面積約503平方qです。
日本では佐渡島,奄美大島,淡路島,天草下島に次いで5番目に大きい島です。
島のほとんどが隆起した花崗岩からなり、その頂点が島の中心部に位置する九州最高峰の宮之浦岳(1935.3m)です。直径30q足らずの小さな島に1000mを超える山が45峰、まさに<海上アルプス>と呼ばれるにふさわしい島です。
 日本は1992(平成4)年、126番目に世界遺産条約に加盟し、1993(平成5)年12月には、白神山地とともに屋久島を日本で最初の自然遺産として登録しました。(これ以降ですね、「屋久島」って言うだけで、あぁーってわかってもらえるようになったのは。それまでは鹿児島県の南の島で、種子島の隣にあって・・・と言っても、あぁ沖縄の近く?ってよく言われました。)
屋久杉があるから世界遺産になった、と思われてる方が多いですが、それだけではありません(もちろん屋久杉も重要なポイントですが)屋久島の世界遺産登録地
は、島の約20%で西部林道と呼ばれる西側の海岸の照葉樹林から近代林業の手のはいらなっかた屋久杉林、森林限界附近とそれを越えた山頂部で構成されています。世界最大級の照葉樹林帯、海岸沿いから標高1935mの山頂部までに南北2500qの日本の自然が凝縮されている植物の垂直分布、そして昔から人が生活していながら、優れた自然が残されていることなどが評価されました。
 屋久島といえば屋久杉ですが、水と太陽の島でもあります。林芙美子の小説『浮雲』の「屋久島はひと月に35日雨が降る」という一節で有名になった多雨の島です。雨量は山間部で年間8000〜10000o平地でも160〜600oこの豊富な水と太陽がやせた土地でも巨木屋久杉を育てました。屋久島に来たら雨に濡れることを覚悟してください、1つ2つ隣の集落とぜんぜん天気が違うというのはよくあります。とても大きな雨粒の豪雨皆さんびっくりされます。

 屋久杉の土埋木、工芸品の材料
 世界の宝屋久杉
屋久島の杉は樹齢1000年を越えて初めて屋久杉と呼ばれます。それより若い樹で100年以上1000年未満のものを小杉、100年未満のものを地杉と呼びます。
一般的に杉は樹齢200年くらいから中心部が空洞化しはじめ500年ほどで寿命が尽きるものが多いといわれます。その点屋久杉は樹齢500年程度だとまだ屋久杉と呼んでもらえない若い樹です。花崗岩の上の薄い栄養分の少ない土壌、厳しい風雪が1年の成長量をわずかなものにし、木目の緻密で美しい屋久杉を育てました。雨が多く水が豊富で、日照が十分あったため、痩せた土でも成長できたとおもわれます。また、樹脂の含有量が非常に多く、ほかの杉の5〜6倍、多いものだと20倍も含まれているものもあるそうです。屋久杉は、成長が非常に遅いため、
木目が緻密になり、樹脂の含有量が多くなる、それが屋久杉を腐りにくくし、高樹齢の巨木になる。そう言えそうです。
 工芸品としての屋久杉
屋久杉の伐採は江戸時代のはじめ頃から、農地の少ない屋久島は年貢の米代わりに屋久杉の平木を収めるため始められました。その後、明治、大正を経て、昭和30年代には近代的大規模伐採が行われ、ピーク時の昭和41年には近頃の10年以上分の量を1年で伐採しました。この年を境に伐採量は減り始め、海外材の需要の伸び、自然保護の声が高まるなか、昭和45年の小杉谷の国有林事業所の閉鎖で大規模伐採の時代は終わりました。江戸時代平木材に使われていた屋久杉は、伐採された後、現場で加工され運搬されました。伐採されるのは、平木に加工しやすい木で、倒す前に材質を調べるため、試し切りをした跡が残る屋久杉もあります。(屋久杉ランド内では、倒された後の木ですが、試し切りされた屋久杉をご覧になれます。)主に建築材料として使われた昭和の時代もそうですが、木目の通った屋久杉だけが価値があり、縄文杉、紀元杉などコブだらけで複雑な幹を持った木は、不良材だった故に伐採を免れ、我々にその雄姿を見せてくれているという事だと思います。
 さて、工芸品の材料の屋久杉ですが、土埋木と呼ばれる伐採された後、平木に加工出来ず森に残された木目の乱れた部分、切株などが少しづつ運び出され使用されてます。伐採当時は木目の素直な部分が人々の生活を支え、現在は、残された部分が、一級品の工芸材として、多くの人の生活を支えています。
 屋久杉工芸品の特徴である、数分の1oという年輪の緻密さ、樹脂の多さ故の色艶、木目の複雑な美しさは他の木材工芸品にも決して負けない風格と威厳に満ちています。千年以上も厳しい風雪に耐え、伐採された後も何百年土に埋もれ、現在、工芸品として蘇った屋久杉の命を是非ご覧になって頂きたいものです。

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