専属の職人がいるのは、武田館だけ。
屋久杉だけでなく彼らも、唯一無二の存在なのです。
私たちは、毎日屋久杉と向き合っています。屋久杉がどんなふうに山で育って、どんなふうに運ばれて来たのか、屋久杉という材を持つ屋久島がどんな歴史を歩んできたかを、私たちは知っています。
杢目を活かす美しい仕上げ
私たちは、屋久杉のことを知り尽くしているからこそ、どの材も山から頂いた以上無駄にせず、お客様にお届けしたい。だからこそ私たちは、屋久杉の乾燥に20年以上の時間をかけます。屋久杉の特徴でもある杢目の美しさを最大限に活かせるよう、カンナの目立てを変えながらじっくりと仕上げていきます。
ずっと使い続けていただくために
もし壊れてしまうようなことがあれば、ちゃんとお直しもします。そうやって私たちの手元をはなれた屋久杉製品が、それが屋久島の森で生きていたのと同じくらいと言ったら少し大げさかもしれませんが、でも、それくらいお客様にずっと長く愛されるものでありますように。
武田館の屋久杉製品を作り続けて、40年。テーブルを始めとした大物家具からお箸まで何でも作る大ベテラン。屋久杉は杢目が美しく面白いのですが、複雑な杢目ほど加工が難しかったりもします。だからこそ、やりがいがあるし楽しい。歴史のある木だからこそ、それに相応しいものに仕上げてあげたい。そんな想いで毎日、木と向き合っています。
工場長の奥様でもある美幸さん。元は武田館の販売をお手伝いしていたのですが、もの造りの方が好きだということで、職人の仲間入りをして15年。仕事で腕がすっかり太くなったし、身体がきついと感じることもあるけれど、好きな仕事なので苦にはなりません。
工場長でもある主人とは、家でもお互いのことより屋久杉のことを話しているかもしれません(笑)。
平田さんは耳が聞こえません。だからこそ、手や目など他の感覚をしっかりと使って、正確に靴ベラを何本も仕上げていきます。そして出来上がった作品には、彼の優しい人柄が不思議とにじみ出ているのです。それは、ある意味彼にしかできない仕事なのかも知れません。
1994年に神奈川から屋久島に移住。前職がグラフィックデザイナーという経験から、時計やペンダントなど、オリジナルデザインの小物類を他数手がけています。屋久杉の杢目を活かした、遊び心があり、気持に潤いを与えることができるようなものづくりができたらいいなあと、毎日杢目を眺めています。屋久杉という伝統に、ちょっとおしゃれな風を吹き込む存在。